
SPIRAL ver.1のフォーム機能は、データの収集や登録、通知に広く活用されている基本機能のひとつです。
しかし、仕様に対する理解が不足していると、思わぬ制限や挙動に戸惑うケースがあります。
本記事では、開発や運用時によく見られるフォーム機能の注意点を整理し、それぞれの回避策を解説します。
連続投稿禁止と社内ネットワーク
仕様のポイント
フォームには、スパムや誤操作を防止するための「連続投稿の禁止」設定がありますが、
同じグローバルIPを共有する環境(例:社内ネットワーク)では、
別ユーザーであっても連続投稿とみなされてしまう可能性があります。
対策・回避方法
大量入力が見込まれる社内利用時は、IP制限の影響をあらかじめ説明・検証してください。
※ 公式では、このような利用方針を推奨しています。
• 同一IPアドレスからの連続投稿を指定時間禁止します。
• 同一IPからの同時接続を防止する場合は、禁止時間を5秒にすることを推奨します。
• 禁止時間を5分以上にする場合は、頻繁にテスト登録する場合に登録できなくなりますのでご注意ください。
カタカナの文字変換仕様
仕様のポイント
入力補正として共通チェックで「半角カタカナ」を「全角カタカナに変換して取得する」は可能ですが、
逆に「全角→半角」への自動変換は行えません。
対策・回避方法
• フォーム案内時に全角カタカナでの入力を推奨する表記を追加。
• 全角カタカナを半角カタカナに自動変換する必要がある場合、その処理を行うプログラムを作成し、フォーム内で動作させる必要があります。
登録データの引き継ぎ制限
仕様のポイント
• フォーム送信後、別のフォームにリダイレクトすることで入力データを引き継ぐことができますが、
この機能は同一データベース内のフォームに限られます。
• 他のDBに属するフォームへの引き継ぎは仕様上できません。
対策・注意点
引き継ぎが必要な場合は、同一DB内に必要なフォーム構成を設計してください。
サンクスメールの送信仕様
仕様のポイント
フォームには複数のサンクスメールを設定可能ですが、
管理画面上の「複数配信する」チェックを有効にしないと、実際には最初の1通しか送信されません。
対策・注意点
納品前の動作確認時には、必ず「複数配信する」にチェックが入っているかをご確認ください。
通知メールで使用できないフィールドがある
仕様のポイント
通知メールでは、すべてのフィールドが利用可能とは限らず、
一部の特殊なフィールドは通知本文に出力できません。
• 通知本文に出力できないフィールドはこちら:
・不正アドレスフラグ
・モバイルドメインフラグ
・重複フラグ
・配信エラーカウント
・配信エラー
・パスワード
・クリックカウント
・HTMLメール開封チェック
・ルックアップキー
※詳細はこちら
対策・回避方法
仕様上、「不正アドレスフラグ」や「モバイルメインフラグ」などの項目は、
フォーム内で利用することができません。
また、セキュリティ上の理由により、パスワードは暗号化されて保存されており、
自由記述項目にキーワード(例:%val:usr:password%)を設定しても、
その値を取得・表示することはできません。
これらのフィールドを通知メールに含めないような設計を行うよう、ご注意ください。
通知メールにはクリックログインURLを付与できない
仕様のポイント
通知メールのテンプレートには、
ユーザー専用のクリックログインURLを付与することができません。
これはセキュリティ上の仕様制限です。
対策・回避方法
必要に応じて、通知メールにはログインページのURLとログイン手順を記載してください。
DB設定変更後のフォーム反映
仕様のポイント
DB上でセレクトフィールドのラベルを変更したり、プルダウン・ラジオボタン形式の切り替えたりしても、
既存のフォームには自動で反映されません。
対策・回避方法
DBの設定の変更を行ったあと、フォーム設定 > 使用フィールド画面で
「変更」ボタンを押して保存することで、内容がフォームに反映されます。
まとめ
SPIRALのフォームは柔軟なカスタマイズが可能ですが、
複数フォーム間のリダイレクトや通知機能は設計初期から想定しておく必要があります。
また、連続投稿の制限や通知メールの細かい挙動についても、
開発時点で明確に把握し、テストや仕様書に記載しておくことで、完成後のトラブルを大きく回避できます。
